ぼくのモナリザ
僕のイケメンっぷりを発揮したところで、
ごろんと横になる。
相変わらず健介とエリちゃんはきゃいきゃいしていた。

「なぁに會村くん、遊ばへんの」

純ちゃん、僕の脇腹をつんつん。

痛い、痛いで、つけ爪って結構痛いで潤ちゃん。

「昨日天文学の本遅くまで読んでしまったから。
 なんか眠い。
 純ちゃんこそ、僕と一緒に日陰におってええの?」

「うん、うちな、今日誘われてうれしかってん。
 あんな・・・會村くんのこと、ええなー思ってて。
 お近づきになりたかったから、隣におりたい。てへ」

てへ!?
そして純ちゃんは、僕に軽く告白未遂を起こした。
僕、大学に入ってからこの手の未遂事件は3度目くらいだが、
実は誰とも付き合ったことがない童貞である。

「純ちゃん・・・」

とりあえず見つめ合う僕ら。
『今年の夏は彼女ゲット!2014』とかいう怪しげな本を立ち読みしたとき、
目と目が合ったら2秒見つめ合い、すぐそらせと書いてあった。
けど・・無理や。純ちゃんの目に、僕の視線はハンティングされてもうた。
というのも、

「メイク、何時間くらいかけてんの?」

と、本音がこぼれてしまったほどの、素晴らしきアイメイクだったからである。
キャバ嬢もびっくりの、鬼盛まつげで常夏のヤシの葉を思い出した。

ああ、夏だ。




・・・・って、ちゃう!あかんやん!
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