ぼくのモナリザ
「あのな會村くん。
 まず、うち、會村くんたちより2つ上なんよ」

「・・・へ?年上!?」

「そう!美容系の専門学校通っててん!」

ほ?という顔をする僕。
何故いきなり年齢暴露なのか。

「専門学校で2年過ごしたってのと、
 メイクとどう関わってらっしゃるん?」

まったくビックリハテナ(←『!?』)な僕はこう返事するしかない。
すると純ちゃんの口から、僕の度肝を抜く言葉が飛び出した。

「そういうわけでな、會村くんをメイクさせてほしい!」

「えぇえッ!?!?」

男として、漢として、一つのプライドが崩された瞬間だった。

純ちゃん、僕にメイクしたいて、どゆこと?
メイクってお化粧のことやろ?

「いや、待って純ちゃん。いや純さん。
 意味が分かりませんよ。
 なんで僕男やのに化粧されなあかんの。」

「可愛い顔やな~ってずっと気になっててん。
 ときめいてときめいてしゃーないのよ。
 気になる存在やってんけど、そんなこと言えへんし。
 今日誘われて少しでも仲良うなれたらお願いしてみようかなぁって」

「それって、べつに僕のこと可愛いキューピー人形みたいに思ってただけで
 恋愛感情とかはないということですやん!?
 僕、それ、え、ちょ、どういう申し出やこれは。
 どう対処したらええねん、
 高低差ありすぎて耳キーンなるやつやんけ!」

「恋愛感情て、なに~。
 うち、會村くんのベビーフェイスはだれにも渡したないけど、
 性癖としては女の子専門やし。あはは」

あははちゃうで純さんや。
僕どないしたらええねんな。
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