Dear~親愛なる君へ~
~幸せ~
「ちび~」
私がそう呼ぶと「ちび」は嬉しそうに吠え、尾を振った。
そんな「ちび」に私は思いっきり抱きついた。

私はいつも週末になると祖母の家に行き、犬の「ちび」と遊んでいた。

「ちび」って名前なのにすごく大きくて、小さかった私にはライオンみたいに見えた。
真っ白だったし、熊にも見えたかな?

私は「ちび」が本当に大好きで、日曜日に親が迎えに来ても「帰らない」の一点張りだった。

いつも「ちび」と一緒にいて、本当の兄妹みたいだった。

散歩に行くときは、私は小さかったから祖母か叔母が散歩に連れて行ってたけど、私もいつもついて行っていた。

「あたしが持つ~」

リードを持ちたくていつもそう言うけど、危ないからって持たせてもらえなかった。

少し大きくなってからは時々、リードを持たせてもらえるようになった。

でも、やっぱり「ちび」の力はすごく強くて、いつも転んでしまっていた。
その時に、リードを離してしまい、「ちび」は走っていってしまう。

それでも「ちび」は少し離れたところまで走って行くと、私のほうを振り返り、ゆっくり戻って来てくれた。

私はそんな「ちび」が大好きだった。
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