年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
いつもならそんなことはしない。黒いビジネス鞄の中には書類が入ってる筈。恋人と言えどライバル会社の社員、見たらフェアじゃない。
ただ発した言葉の勢いで由也くんの鞄を逆さまにしてバサバサと中身を出した。
「もしかして指輪のパンフとか隠してる? へ……??」
出てきた書類には社外秘の赤いハンコが押された書類ばかり。やっぱり開けなきゃ良かったと反省しつつも、書類の宛名に目が留まる。
「藤池由也副社長殿? ふ……」
床に着くぐらいまで下げていた頭をゆっくりと上げた由也くんは、ちらっと私を見てすぐに床に視線を落とした。
「由也くん……?」
「隠しててごめんなさい」
由也くんは床を見つめたまま動かない。本当にそうなんだと思った。確かに彼の着るスーツはその辺の三流スーツじゃなかったし鞄だって海外ブランド物。そのゴージャスな雰囲気は実家暮らしで給料を全部自分で好きに使えるからだと思ってた。
でも何故、由也くんが副社長って。あの時普通にペーペーの新入社員だったじゃない。
ただ発した言葉の勢いで由也くんの鞄を逆さまにしてバサバサと中身を出した。
「もしかして指輪のパンフとか隠してる? へ……??」
出てきた書類には社外秘の赤いハンコが押された書類ばかり。やっぱり開けなきゃ良かったと反省しつつも、書類の宛名に目が留まる。
「藤池由也副社長殿? ふ……」
床に着くぐらいまで下げていた頭をゆっくりと上げた由也くんは、ちらっと私を見てすぐに床に視線を落とした。
「由也くん……?」
「隠しててごめんなさい」
由也くんは床を見つめたまま動かない。本当にそうなんだと思った。確かに彼の着るスーツはその辺の三流スーツじゃなかったし鞄だって海外ブランド物。そのゴージャスな雰囲気は実家暮らしで給料を全部自分で好きに使えるからだと思ってた。
でも何故、由也くんが副社長って。あの時普通にペーペーの新入社員だったじゃない。