年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
……ワサビが鼻に来た、といって涙を流しながら私は黙々と食べていた。ところが。
『由也くんの馬鹿馬鹿馬鹿~っ!!』
特上寿司を食べ終えた私は突然、叫んだ。確かに日本酒は飲んでた。でも私がザルだと知っていた由也くんは私が酔って叫んだとは思ってなかった。
『由也くんは何にも分かってない!』
私はドンとテーブルを叩いた。
『わ、私は由也くんなんかいなくても平気なんだから! 由也くんが他の女の子と結婚しても平気なんだから!!』
『綾香さん?』
『三十路直前の女を平気でポイ捨てするボンボンなんか、こっちから願い下げなんだからっ』
『平気……?』
さすがの由也くんも私の台詞にムッと来た。