年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「いってらっしゃい」
「いってきます」


 由也くんが顔を近付ける。唇が重なる。


「綾香さん、同期の鎌谷さんと仲直りしてくださいね」
「うん……。そだね」
「綾香さんの一番の理解者なんだから、話せばきっと……。僕が言える立場じゃないけど」
「話してみる。分かってもらえないかもしれないけど」


 綾香さんは説得するのは得意でしょ、と由也くんはまたキスをした。


「うん。頑張る」


 由也くんを見送ったあと、私も支度した。鎌谷を捕まえて話をしよう、このまま挨拶も出来ないなんて嫌だ。私は鏡に向かって気合いを入れて出勤した。


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