年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「結婚指輪、婚約指輪……?」
「結婚指輪はほら、左の薬指にしてんじゃん。既婚者がさ」
「あ、シンプルな指輪ですか?」
結婚情報誌をめくっていた由也くんはそう言った。
「婚約指輪は?」
「あれは給料3ヶ月分とか言うじゃん。結納とかで渡すんだよね」
「ダイヤの指輪ですか?」
「そう、それ」
由也くんは指輪の広告ページを眺める。男の子にはピンと来ないのかもしれない。眉をしかめて記事を読む由也くんが可愛かった。
「でもいらないよ、私。エンゲージリングもらったって着けてくところなんて無いし」
「着けてくところ?」