年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


 4月末、世の中はゴールデンウイークに突入。アパートまで迎えに来た由也くんの車に乗り込む。


「綾香さん、ひょっとして緊張気味?」
「う、うん。だってだって明日だよ、明日!」


 向かう先は高原にあるホテル。今夜から1週間近く滞在する。


「じゃあ今晩はゆっくり休みましょう」
「うん。でも眠れるか心配……」
「僕が初めて会ったときの綾香さんからは想像もつかないです。初めてホテルに泊まったときの綾香さんからも」


 由也くんはニコニコしながら運転している。そりゃあ私の方が3つも上だし年上彼女としては彼を引っ張りたいところだけど、結婚式を挙げるに当たっては年上も年下も関係ない。だって人生初めての出来事なんだから経験上のアドバイスもない。

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