年下彼氏はライバル会社の副社長！（原題 来ない夜明けを待ちわびて）

　しばらく由也くんの胸で泣いた。落ち着いた後、由也くんは今までの経緯を話してくれた。話を要約するとこうだった。



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　元々スマイル乳業は由也くんの祖父が始めた町の牛乳配達屋がきっかけだった。地元の人に毎朝牛乳を届ける、顧客とコミュニケーションを取りながら細々と続けていた牛乳屋さんだった。でも父親はそんな小さな経営に納得してなかった。地道に地域の人に牛乳を配達してきた祖父、もっと沢山の人に牛乳を届けたいと思う父……。二人の溝は大きくなり、ついに由也くんの父親は祖父と喧嘩をして家を飛び出した。親戚に頼らず一人で起業し、そのスマイル乳業は生産から販売まで全てを手掛ける大会社にまで成長していった。だから父方の親戚とは疎遠だった。

　社長には二人の息子がいる。由也くんとお兄さん。父親は長兄に重きを置いた。何故なら自分に似てない由也くんには会社運営など出来る筈はないと幼少の頃からあきらめていたから。