年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「マイ望遠鏡?」
「そうですね」
「ふうん」
「学生の時以来だから見方を忘れてないといいんですけど」
自宅には他にも望遠鏡があって、一番簡単なものを持って来たと由也くんは言った。部屋には自分で撮った星の写真も飾ってあるらしい。
「由也くんの部屋って広いの?」
「12畳ですけど」
「壁一面星の写真?」
「ううん」
未だ訪れたことのない由也くんの部屋。きっとこれからもないだろう、ライバル会社の私が由也くんの家の敷居を跨ぐことはない。由也くんに奥さんが出来たなら尚のことだ。不倫相手の女がのこのこ由也くんの部屋には入れない。