年下彼氏はライバル会社の副社長！（原題 来ない夜明けを待ちわびて）

「……ううん、いい」


　由也くんの部屋に入って実際の部屋を見てしまったら、婚約者が出来て由也くんの部屋に入ったのをリアルに想像してしまいそうだったから。私の返事を聞いた由也くんは、今度星の写真を見せますね、と言いながら私から離れて望遠鏡を部屋にしまい込んだ。私も後に続いて中に入る。鍵を閉め、カーテンを引く。由也くんは望遠鏡を置くと、私の背中に手を回してキスをした。今日の綾香さん綺麗でした、と耳元で囁く。


「今日の、って、今日だけえ？？」
「そういうツッコミもナッシングです」
「私の十八番、ぶう」



　由也くんに手を引かれ、寝室に行く。ベッドに優しく押し倒され、頬に耳にこめかみに何度もキスされた。由也くんは、疲れてない？、とか、大丈夫？、を繰り返し言葉にして私を労わる。私はそのたびに首を横に振り、キスで答えた。