年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
『今まで散々描いてきただろう? これ以上オアソビを続けてなんになる。絶対に許さん!! 来春には卒業して入社するんだ、分かったな!!』


 リビングを出ようとする父親の腕を掴んで兄は再びくらいついた。


『父さん! お願いします』
『うるさいっ!!』


 父親は長兄を殴った。短気で厳格な父親が長兄や由也くんを叩くことはよくあった。数回殴られて長兄は床に倒れた。しばらくうずくまっていたがヨロヨロと立ち上がる。そして父親を睨んだ。


『……だから父さんは駄目なんだ』
『親に刃向かうのか!』


 父親は再び兄を殴った。兄は殴られても殴られても父にくらいついた。


『父さんが何を言っても僕は留学します!』
『そんなことをしたら親子の縁を切る。学費生活費は一切出さんぞ。それで何が出来る。親に頼らなければ何も出来ん子供の癖に!』


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