年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


「よ、陽性?? まさか……。いや、あと2箱あるし」


 一度支度をしてトイレから出る。その検査窓と終了を知らせる窓両方に赤い縦線が入った棒をテーブルに置いた。

 いつから来てなかっただろう、思い出そうと鞄から手帳を出す。ゴールデンウイーク、由也くんと旅行した。そのあとから来ていない。思い当たる節があるような無いような、旅行中は普段会えない分いつも以上にイチャイチャしてたし、何かの拍子で付着したと言えないことはない。

 ただ間違いなく言えるのは由也くんとしかしていない。つまりはデキていれば由也くんの子供……。


「赤ちゃん……」


 ふとお腹を見る。両手の平を重ねて当ててみる。もしかしたらここに由也くんと私の赤ちゃんがいるかもしれない。

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