年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


「そうですね……。僕は一緒に生活出来ない、普通の父親をしてあげられない。子供にそんな不憫な思いはさせたくないです。もし綾香さんが大丈夫なら薬も服用したほうが」
「うん……」
「でも、もし妊娠したら認知します。養育費も出します、勿論綾香さんの生活費も」
「ありがと……」


 仕事の忙しい父親、疎遠な親戚。そういう中で育った由也くんは普通の家庭に憧れていた。そんな由也くんが中途半端な家庭を望む筈もない。たまにアパートに来て子供と私に会って、夜は帰って行く。赤ちゃんが生まれたら由也くんは罪悪感に苛まれる、父親らしいこともしてやれない人間だと。


「もしかして綾香さん?」
「や……」

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