年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
どのくらい経ったか夕方になる。お代わりも3杯目、そろそろ帰ろうと思った。鎌谷は伝票を持って立ち上がりレジに向かった。慌てて後を追うけど鎌谷が支払いを済ませてしまった。無言の鎌谷に続いて外に出る。
「大丈夫か」
「大丈夫」
「ちっとも大丈夫って顔してないぞ」
鎌谷は地面を見つめてる。私の顔色なんか見てないのに。
「大丈夫だから」
大丈夫じゃない。でも大丈夫って言わなかったら崩れると思った。鎌谷は下を向いたままだった。
「なあ」
「何?」
「ほんとは産みたいじゃねーのか?」
「……」
「ほんとは産みたいんだろ??」
私は返事が出来なかった。産みたい、産めるものなら産みたい。由也くんの赤ちゃん。