年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「産め」
「は??」
「いいから産め」
「無責任なこと言わないでよ。父親が口下手で母親がデブで妹が気が利かないのと産むのと何が関係してるの?」
「俺の家族の悪口意言うなっ」
「カマが言ったんじゃん」


 鎌谷はちらりと私を見たあと、また地面を見る。


「……お前鈍いんだよ」
「カマが父親に似て口下手だから分かんないの」
「俺が面倒見てやるって言ってんだよ」
「へ?」
「だから俺がその子の父親に……」


 そこまで言いかけて鎌谷はまた黙り込んだ。鎌谷が父親になるってことは……なるってことは……。


「オムツ替えられんの?おっぱいやれんの?子守唄歌えんの??」
「このボケが!! そういう意味で言ってんじゃねえよっ。ま、そりゃオムツぐらい替えてやってもいいけど……」
「……」
「……」


 再び黙り込む。鎌谷は結婚するつもりだろうか、余所の男の子供を身篭った私と。


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