年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「俺と結婚して俺の子供として育てりゃ問題ねえだろ」
「だ、ダメだよ、そんなの。カマの子供じゃないんだよ」
「俺はいいって言ってんだろ。ボンボンの血液型は」
「AB」
「じゃあ問題ねえ。俺もABだし」
「同じ血液型でこの性格の違いは何……?」
「そういう話をしてんじゃねえ」
心なしか鎌谷の頬が赤い。情けない同僚に手を差し延べて照れてるんだろうか。
「カマ、好きな人いるんでしょ。その人と結婚した方がいいよ」
「俺はいいんだよ。彼女なんて面倒くせえ段階をすっ飛ばして嫁さんもらえるんなら、長谷川で我慢するし」
「ええっ」
「だから長谷川も俺で我慢しろ」
「何それ」
鎌谷は、1週間よく考えろ、とだけ言い捨てて乗ってきた自転車に跨がり走り去った。