年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「……」
ほんとなら私の赤ちゃんもあんな風に包まれてスヤスヤと眠っていた。
「……今頃」
私の赤ちゃんはどうしているだろう。暖かいお腹の中から冷たい金属で無理矢理に掻き出されて、ビニール袋に捨てられたのだろうか。本当ならあんなふうに暖かい毛布に包まれている筈だった赤ちゃん。寒いと泣いているんじゃないか、苦しいと泣いているんじゃないか、助けてママ助けてって……。
「うっ……ひっ……」
「綾香さん?」
「赤ちゃん、私の赤ちゃんっ! うわあああっ!!」
突然泣き出した私を由也くんはぎゅうっと抱きしめた。