年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「そのあと橋に行って鉄塔も見てね、ここでパパとママはキスしたんだよってお腹に話し掛けた」


 パパはオレンジミルクティを毎朝飲んで、ママの作った白玉が好きで、滅多に怒らない仏様のような人だって。


「それから星も大好きなんだよって。プラネタリウムに行ったけど、桁違いで」
「そうですね」
「本物の星も見せたかったな……」


 あの水族館にも行きたかった。私が鰯を見て美味しそうと言ったのを怪訝そうに見た親子。父親と母親の間に入って手をつないでいた小さな子。由也くんが家族で行きたいって行ってた水族館。


「お、可笑しいよね。産まないって決めたのにさ、カフェイン避けたり白玉作って食べてみたり」
「そんなことないです」
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