年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

『……』


 必死に泣く赤ちゃん、オムツを替え終えた後も変わらず泣き、どうしたのか心配になる。じっと見ていた由也くんに気付いた助産師は内側にあるカーテンを閉めた。赤ちゃんはなかなか泣き止まない。覗くにも覗けなくて立ち尽くしていると、廊下の向こうから来た別のスタッフが由也くんに声を掛けた。


『赤ちゃんは泣いて教えてくれるの。大丈夫、今おっぱいだから』


 おっぱいをあげるのにカーテンを閉められたと知った由也くんは一気に赤面した。そして赤ちゃんの泣き声は止んだ。


『ほらね』


 スタッフは笑顔で由也くんの肩を叩き、ナースステーションに入って行った。由也くんはホッとしたと同時に反省した。あんなに小さな赤ちゃんが必死に泣く姿を目の当たりにして、少しでも堕胎を考えた自分を恥じた。


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