年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 恋愛の初期段階というか小さな駆け引きというか、ワクワクするなあって。私もあんな風に指に触れられたらドキドキするなあって。由也くんと付き合う前ってどんなだったかなって思い出してみる。駆け引きは無かったと思う、何度も会ううちに付き合うのは自然の成り行きになってた。鉄塔の見える橋でキスをしたのも自然な成り行きで、あそこでキスしてからは会う度にキスをするのも自然な成り行きで、そのキスは会う度に自然に深くなって。そのうちに自然にお泊りの話になった。

 直に彼女もそうなるんだろうか。


「直帰、か……」


 今日もこないだも夕方に欧州車で来ていた由也くん。きっと来るときも彼女を助手席に乗せて来たんだろう、当然帰りも助手席で。そのあと食事にでも連れてったんだろうか、彼女にお似合いの可愛いらしいレストランかカフェ。まさかファミレスとか牛丼屋は有り得ない。そして帰りは彼女の自宅まで送ってく。
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