年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「お前さ、別れろよ」
「やだ」
「別れたらダイヤ買ってやる」
「なんでカマに買ってもらわなきゃいけないの。気休めはいらないよ」
「気休めで悪かったな」


 鎌谷は飲みが足りないと日本酒を勧める。私はむっくりと起き上がり、コップの酒を飲み干した。銘柄は八海山、由也くんに怒られると思いながら更に注がれた酒を一気した。八海山の芳醇な香りにふわふわといい気持ちになる。従姉妹の披露宴で見たシャンパングラスのタワー、あれを八海山でやったらこんな匂いかなあとにやけた。隣にはタキシードの由也くん、私はピンクのフリフリドレスで寄り添う。

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