年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
……なんか幸せだなあ、溶けてしまいそうな。
「……川、長谷川」
「ん? へへへ、溶けちゃいそう、ひひ」
「ボケ。着いたぞ」
眩しい光を瞼に感じてゆっくりと目を開けた。それは車内の室内灯、タクシーの中だった。
「あ」
「何寝ぼけてんだよ、アパートに着いたぞ」
「うん」
ああ、夢だったか、と思いながらむっくりと起き上がりタクシーを降りた。歩道の段差によろけてコケそうになる。