年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「このボケっ!」
腕を引っ張られてコケはしなかった。鎌谷が助けてくれた。鎌谷はブツブツ言いながら支払いを済ませてタクシーを降りた。
「タクシー行っちゃったよ?」
「お前がボケ過ぎだから部屋まで送るわ」
「ごめん」
「2階か?」
「うん」
鎌谷に腕を捕まれて外付けの階段を上る。まだふわふわと酔っていて、隣に由也くんがいるような錯覚になる。
「ひひひ」
「キモいぞ長谷川。鍵」
「はい、由也くん」
「このボケ……」
鎌谷が鍵穴に鍵を差し込み、カチャリと回す。