年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「誕生日プレゼントにと思いまして」
「へ……? あ、ごめん。綿棒っと」
幻聴だろうか、洗面所から綿棒を持って来て耳掃除をした。誕生日プレゼントにマンションって。
「で、何。もう一回言って」
「誕生日プレゼントにマンションです」
「ん。レゴだっけ、あのブロック」
「綾香さん。玩具じゃなくて、これ辺りどうですか。綾香さんの会社からも近いし」
差し出されたパンフには有名な建築家の名と間取り、最寄り駅や商業施設、公共施設の案内が載っている。2LDK3LDK、広々キッチン広々玄関広々ダイニング、あの鉄塔が見える窓。お洒落でいいなあ、このショボいワンルームからは想像もつかない広さ真新しさ。こんなマンションは憧れの的だ。つい、うっとり眺めた。