年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 思い浮かぶ単語は手切れ金……。


「いらないよ、そんなの」
「駄目です。受け取ってください」
「手切れ金でしょ、別れたいんでしょ??」
「別れたくありません」
「そんなムシのいいこと言って~。綿菓子な彼女が可愛くなった?」
「違います」
「じゃあ何、売却目的でマンション買い与えてどうしたいの? 売却したお金で別の男と幸せになればってことでしょ」


 由也くんは黙り込んだ。言い過ぎたとは思ったけど図星なんだと思った。別れたいんだ、私が邪魔になったんだ。鎌谷の言う通りだった。婚約者見つけて結婚したら私なんか捨てられるって。


「そう思うならそれでもいいです」
「最初からそう言ってよ」
「綾香さんとは別れるつもりはありません。ただ、綾香さんが別の選択肢をいつでも選べるようにしたかっただけです。それに」

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