年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「ゴールデンウイーク、海外に行きませんか?」
「え? でも引っ越しで散財しちゃったし」
「連れて行きたいんです」
「でも……」


 結婚記念日の次にやってくるのは、あの日。由也くんとの赤ちゃんを堕ろした日。


「まだ1年と経ってないもん、羽を伸ばす気にはなれなくて」
「そうでしたね、ごめんなさい……」
「私こそごめんなさい」
「ううん。海外はまた次の機会に」
「うん」


 由也くんは私をぎゅっと抱きしめた。もうすぐ1年、お寺に行き、手を合わせたい。でも由也くんは手術したことを忘れてるんじゃないかとも思った。風化して過去の出来事にしてしまったんだろうか……。

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