年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「一般社員が商品開発室に入るのは僕の贔屓を得たからだと」
開発室に行けるのは入社10年以上のベテラン社員、もしくは大学で専門知識を学んだ優秀な学生のみだった。彼女のような普通の社員が入れる場所じゃない。彼女が色目を使って異動にしたとか勝手な噂が回った。彼女はまた追い詰められる、せっかく来た開発室で凡ミスを繰り返し、開発室もお手上げ状態になった。
「むー。紛れも無く由也くんのせいだね」
「反省してます」
「ん。よろしい」
「そんな状況ですから付き合い始めた彼ともギクシャクしてるようで」
「そっかあ……。尚のこと、辞めたくなるよね」
でも綿菓子を結婚相手にと考えていた由也くんにはチャンスだ。僕が責任を取って綿菓子をもらいます、と名乗りを上げればいい。