年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「でも彩乃は」
「結婚したんでしょう、見せびらかしに来たものね」

「主人が欲しいなら彩乃さんも自己犠牲を払って手に入れればいい。背負わされても尚、美味しいと思うならね」
「そうですね……。あ、クッキー美味しいです。手作りですか?」
「ええ。ナッツが沢山入ってるでしょう? 生地にも練り込んであるの」
「これは後を引きますね、美味しい~」


 私は話を逸らした。本当にクッキーは美味しかった。何故このタイミングで離婚するんだろう、彩乃がそんなに憎いということか。彩乃に離婚の大変さを味わせるという置き土産。ご主人だってどうするんだろう、奥さんと共に切り盛りしてるカフェに後妻の彩乃が来たら悪い評判が流れて固定客も流れるだろうし。手伝ってる奥さんだって、籍は今日までだから今日まではキッチリと働いてもらいます明日から彩乃が来ます、って契約じゃあるまいし。
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