年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


「……」


 私だってどうなるだろう。綿菓子が本当に由也くんと結婚して正式に妻になったあと、私という存在に気付いたら何て言うだろう。この奥さんみたいに代償を支払え、とか、別れろ、とか言うんだろうか。言われた私は頭を下げるしかない、私が先に出会って付き合ったと主張しても正妻は綿菓子なのだから。
 自分のしていることが分からなくなる。籍なんて形なんていらないと意気がることが由也くんへの愛だと思ってきた。でもそれは間違いなんじゃないか? だって私は誰かを傷付ける行為をしていく。綿菓子であり、由也くんと綿菓子の間に生まれた子供であり、そういう誰かを傷付けて生きていく。
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