年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 オーナーは英語で書かれた説明書を由也くんに渡す。由也くんはそれを手に取り眺めて、分かりました、と返事をした。


「屋上にあるんだが暗くなる前に」
「そうですね、じゃあ早速。綾香さんは休んでて」
「うん。いってらっしゃい」


 由也くんは礼服のまま階段を上がって行く。せめて着替えてからと思うのに。そんな姿をオーナーは見て微笑む。学生時代から変わってない、相変わらずピンポイントで熱血になる、普段はえらくクールなのにな、と笑った。

 そしてオーナーはテーブルに置かれた宿泊申込書を手にした。


「長谷川綾香さん」
「はい」
「何やら訳アリな匂いがしますな」
「えっ?」
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