年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


「こちらに置いておけばまた綾香さんと星が見れますし。今、見ますか?」


 由也くんはサッシを開けてベランダに出た。一緒に私も出て空を見上げた。こんな明るい場所でも星は幾つか出ている。由也くんは望遠鏡をセットすると私に部屋の明かりを消すように言った。


「こんなふうに誰かと見るのは嬉しいです」
「うん」
「今まで誰と見たことがある?」
「買ってもらったときにクラスの友達と」
「ふうん」
「でも馬鹿にされました」


 1万円程度で買える望遠鏡、その友人の従兄も持っていた。一般家庭でも買える望遠鏡を社長子息が持ってるのか、父親が息子を大切にしているならもっと高級品を買ってきてくれる筈だと。
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