年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 どうしたらいいだろう、私。由也くんと別れるしかないのかって考える。由也くんと別れた自分が想像出来ない。私の特技なんてアルコールがめっぽう強いのとかき氷を一気食いしても頭痛がしないのと初対面の人とでも平気で話せることぐらいで、由也くんと別れたら当分彼氏なんて出来ないだろうと思った。

 今、パニクってるのは、後が無いからだろうか。それとも次期社長の夫人の座を掴み損ねたからだろうか。ただ単に大好きな人を手放さなきゃならないからだろうか……。


「……」


 自分の損得だけで行動してるみたいで、自分を嫌悪した。


「なんかみっともないよなあ、そういうの」


 酸いも甘いも知り尽くした28歳。なら、年上なりの、由也くんより3つ年上なりの、対応があるんじゃないか。顔面蒼白で頭を下げた由也くん。由也くんには由也くんの事情があって別れを決断した。社長子息には子息なりの理由があるんだろう、って。私には分からない理由……。


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