年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「かかか、海外って……」


 頭の中が真っ白になる。以前、由也くんは結婚したら海外にはいけなくなるって言っていた。まさか、まさか綿菓子と……。


「綾香さんと海外に行くのもこの年末が最後の機会になるかもしれません」
「由也、く……ん?」


 心臓が爆発しそうな程に高鳴る。本当に他の子と結婚するんだ。私は現実を突き付けられてパニックになる。予想していたことなのに、覚悟していた筈なのに……。


「わ、綿菓子と付き合ってるの……?」
「ううん、まだ」


 由也くんも申し訳なく感じてるのか、マグを両手で囲むように持ち、湯気を見つめている。

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