年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「届け物があって彼女のマンションに伺って」
「届け物?」
綿菓子の彼氏は例の大口契約に一役買ったらしい。営業部の社員なら報酬金も出たが彼氏は経理部の所属で公に金一封を渡すこと出来なかった。勿論、裏でこっそり渡そうともしたが彼氏は断る。そこで由也くんは彼女である綿菓子が以前から憧れていた専門店のティーカップやらポットを報酬金がわりにプレゼントすることにした。つまり現物支給。で、専門店に行き食器を買い、直接彼女に届けた。
「マンションのエントランスで渡して帰ろうと思ったんですが」
綿菓子は余程嬉しかったのか無防備なのか無知なのか、由也くんを3階にある自分の部屋に由也くんを入れた。一人暮らし、8畳のワンルーム。部屋のちゃぶ台を前に座ればすぐ横にはベッド。仮に綿菓子が由也くんを好きじゃなかったにしても、由也くんを信頼してる証拠にはなる。