年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
どうもミルクティの一件から綿菓子の顔が視界に蔓延っている。気にしても仕方の無いことなのに。私は既に負の妄想にとりつかれていた。何かにつけ、綿菓子が浮かんで来る。
「手作りピザってお腹にたまるね。お腹いっぱい、ご馳走さま」
由也くんは空いた皿を片付け、代わりにケーキを切り分けて持ってきた。きちんとまっすぐに切れてないケーキ、由也くんは不器用だ。
「ぷっくっく」
「笑いましたね」
「だってさあ」
由也くんは少し臍を曲げたのか口を閉ざした。そしてフォークで一口分掬い、私の口の前に運ぶ。私はあーんと口を開けて食べさせてもらった。