年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
会計を済ませて袋詰めする。
「ふう。いっぱい買ったな……。あ」
「あ……綾香さん」
「由也くん……」
買い物を済ませて店を出たところで由也くんと遭遇した。どんな顔をしたらいいんだろう、何を話したらいいんだろう。二人で目を合わせたまま、スーパーの出口で立ち尽くす。 先に目を逸らしたのは由也くんだった。
「持つね」
「あ、うん」
由也くんは私の手からスーパー袋を取った。由也くんの大きな手。痩せてるから指も細くて。
「こんなに。何買ったの?」
「豚肉でしょパイナップルでしょ」
「酢豚?」
「ピンポン♪ それからきな粉でしょ」
「白玉?」
「ピンポン♪」
「僕の好物ばかりだね」
「うん。最後だからいっぱい食べてね」
「……」
「……」