年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「おいひい」


 由也くんはまた一口掬い私に食べさせる。


「おいひい」


 由也くんは機嫌を戻して恥ずかしそうに笑った。


「あーんして待ってる私の方が恥ずかしいのに。ぶう」


 由也くんは自分のケーキを食べる。なんだか暖かだった。何処かで外食するよりもほのぼのと暖かい誕生日。来年の今日も私はこんなふうに由也くんと過ごせるだろうか。


「由也くん……」


 綿菓子を口説いて順調に行けば春先には結婚する。年明けには互いの両親に挨拶に行き承諾をもらい、結納をする。きっとそこで由也くんは綿菓子にダイヤの指輪をプレゼントするだろう。きっと彩乃が見せびらかしたダイヤよりも一回りも二回りも粒の大きいやつ。その頃にはキスくらいしてるだろう。
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