年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「由也くん」
「綾香さん」
「好き。大好き」
「うん、僕も」
由也くんはくっついたまま私を抱きしめる。私も由也くんの背中に手を回した、誰にも渡したくない、誰にも触られたくない……。
『さあ。諦めてるからかもしれません』
『成るようにしか成らないですから♪』
カフェに出掛けたときの彩乃の言葉。私はあんなふうに割り切れない。あんなふうに強くなんかない。分かってるつもりで私は全然分かっていなかったんだ……。
由也くんは優しく揺れながら時折指で私の涙を拭う。ただ無言でただ揺れて。私が今考えてることを無条件に受け入れると言わんばかりに。