年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
……あ、まただ。高原、教会。タキシードを着た由也くん、私の元に来る。良かった、戻ってきてくれたんだ……。
『綾香さん、さよなら』
『え、由也くん? ちょっ……』
由也くんは私に背を向けた。奥には綿菓子、真っすぐ歩いていく。由也くんは綿菓子の肩を抱き、微笑む。ははは、ははは、と二人の笑い声がやまびこのようにこだました。
「やっ!」
私はガバッと起き上がる。夢だった。今夜も大量に寝汗をかいていた。
「……」
やっぱり目覚めてしまった、嫌な夢で。動悸がする。私を捨てて綿菓子を大切にする由也くん。