年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「普段料理はしないんだ。お手伝いさんが?」
「ううん。母さんが作りますよ」
「ふうん。メイド服来た家政婦さんが由也お坊ちゃまお帰りなさいませー、ってやってるのかと思った」
「ドラマの見すぎです。母はあんまり社交的でも無くて専業主婦してる」
「ふうん。華々しく社交界で活動してるのかと思った」
「普通はそうです……。だから会社のことは父さんがいつも一人で抱え込んでて」


 由也くんはピーマンの種を取りながら話す。


「そんなことも会社に入ってから分かったことだけど」
「……」


 父親を見捨ててまで私を選ばない理由が分かる気がした。由也くんが私と別れて会社に忠誠を誓うのは父親のためでもあり母親のためでもあり、自分のためでもあるって。親なんてどうでもいいって考えないのも由也くんらしい。


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