年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
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『だから綾香さんが望むなら鎌谷さんに……』
『わ、別れるって言うの?』
『綾香さんが望むなら僕はいつでも身を引きます』


 ふと由也くんの言葉が蘇る。鎌谷と飲んだあとアパートの玄関で鉢合わせた夜、由也くんはああ言った。


『やだ……別れないよ』
『だって鎌谷さんなら綾香さんを幸せに出来ます』


 あのときにはもう、別れるつもりだった? 


「いやっ、いやああっ!!」
「落ち着けよ」


 私なんか邪魔だった?? そうだ、マンションだって手切れ金だった。赤ちゃんのことだってきっと忘れてる。

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