年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 でもそれは鎌谷を好きになれたらの話。


「でも私」
「長谷川がボンボン忘れられねーなら、ボンボンを思ってても構わない。お前が俺のこと男として見れねえならお前には指一本触れねえ。だから……」


 鎌谷の突然の告白。鎌谷の気持ちには気付いてた。でもこうして実際に言葉にされてどうしていいか分からなくなる。大切な同期、異性の親友。叶えるものなら叶えてあげたい。鎌谷は愛おしむように私の頭に頬ずりを続ける。暖かい手、暖かい胸。でもその想いに私は応えられない。他の男に想いを寄せたまま鎌谷に甘えるなんて出来ない……。


 そこまで鎌谷が言いかけるとバタンとドアが開く音がした。見上げれば鎌谷の父親と後ろに母親がいた。
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