年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 夕飯を作り終え、テーブルで食べる。お揃いの箸、お揃いの茶碗、お揃いの皿。不格好なピーマン、パイナップル、玉葱。大きさの揃わない白玉だんご。その他もろもろ。


「ぷっ」
「綾香さんっ、もう笑わないでください」
「ぷぷっ。でも美味しい♪ いいね、こういうの」


 なんかとても最後の晩餐って感じはなかった。これからもこんなふうに由也くんと関係を続けて行ける雰囲気だった。いつも通り仕事の話をしたり洋服の話をしたり。別れる実感がない。

 ご飯を終えて白玉だんごに手をつける。熱々の玄米茶を入れる。これが最後の玄米茶。その辺りから急に口数が減った。いや共に無言。

 最後の白玉を口に放り込む。由也くんも、えいっ、と言わんばかりに放り込んだ。


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