年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 由也くんは呟くように言った。私とは行けないのを理解してるんだろう、私を手放すことが由也くんに出来る最後の選択。私が幸せになるための、ねじれた選択。


「奥さんになる人、大切にしてあげてね」
「家族は大切にします。奥さんにもいつか生まれてくる子供にも不憫な思いはさせません」


 好きなのに一緒にいれないのは何故だろう、好きなのに結婚出来ないのは何故だろう。考えても答えなど出ない愚問は堂々巡り。惨めだ。でもいい、私は私の出来ることをしてきた。もうこれ以上出来ることは無いし、やり切ったのだから悔いも無い。



「超新星爆発……」


 太陽よりうんと大きな恒星の最期は大きく膨らんだり縮んだりを繰り返してやがては自分を支えきれなくなり爆発する。眩しく光り輝き、死んでいく。ホテルのスイート、大きな花束、年末から出掛けるアラスカ旅行。まさに二人の最期を象徴している。
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