年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 会社に着くとエントランスで鎌谷にチョップされた。営業部に行き自席でメールとスケジュールをチェックする。今退職願を提出したらいつ受理されるだろう。もう年末、キリのいい年度末までは働かなくちゃいけないか、そんなことを考える。給湯室に行くと鎌谷は先に来て湯を沸かしていた。


「カマ」
「寝不足は落ち着いたか?」
「うん、だいぶ。由也くんと別れることにしたら少し楽になった」
「そうか」


 鎌谷は私に背を向けたまま俺様コーヒーを入れる。鎌谷が何かを言いたいときの癖。もう10年以上そばにいると幼なじみみたいな感覚だ。

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