年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「実家に帰る」
「そうか」
「東京から離れたい」
「そうか」
鎌谷は淡々と返答して振り返り、私にマグを差し出した。
「俺の嫁さんにならねーのかよ」
「ならない」
「なれよ」
「無理。圏外だし」
「この俺様を圏外扱いすんな、ボケが……。んで、いつまでいるんだ?」
こんな馬鹿な会話をするのもあと僅かだ。
「年明けたら退職願出して年度末までかな」
「ん」
「ありがとうカマ。こんなボケでも構ってくれて」