年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「由也くんのお父さんだって、お兄さんに出ていかれて由也くんまでいなくなったら」
「いなくなりません」
「だって由也くんが私と付き合ってるって言ったらお父さんは」
「驚くと思います」
「もし勘当されたら」
「万一そうなれば社内は流動的になるやもしれません……。世襲が全てではありませんが跡継ぎの僕が失脚すれば、社内で派閥の動きも活発化するでしょう。そういう不確実な状態が続けば経営にも響きます。派閥争いをする上層部の心理が必ずや末端のパート従業員まで揺さぶられる」
そんなこと駄目だ。許しちゃいけない。スマ乳に従事している沢山の人達に、取引先に、迷惑を掛けられない。
「なら、尚のこと駄目だよ!」
「綾香さん……」
「私一人の人生なら自由にする選択肢もあるよ。でも我を通して他人の人生を狂わすなんて出来ない!」