年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「父さん」
「なんだ」
「紹介したい女性がいます」
由也くんがそう言うと、社長は読んでいた新聞から目を離して由也くんを見た。隙間から私が見えたのか、掛けていた老眼鏡を外して目を懲らした。
「なんだ、連れて来たのか。前もって連絡すればいいのに。ほら入ってもらえ。話も出来んだろう」
「し、失礼しま……す……」
恐る恐る一歩だけ中に入った。広々としたリビング、奥にはキッチンがあり、先程の割烹着の女性がお茶の用意をしていた。営業で初対面の人間と話すことに抵抗は無いと自負する私もドキドキした。