年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「あの子も30ですし、何故紹介してくれないのか不思議でしたが……やっと理由が分かりました。ライバル社にお勤めだったのですね……」
由也くんの母親は届いた紅茶を啜った。スパイだと思われただろうか。
「隠してたことはお詫びします。あの……でも私、最初は由也くんが社長御子息だとは知らなくて……その、決して情報が欲しくて近付いた訳ではなくて。勿論財産とか名誉が欲しい訳でもなくて……」
私は必死に言い訳した。言い訳したところでどうにかなるものでもない。由也くんの母親は声を荒げる風でもなかった。
「……由也とはいつから」
「は、8年前からです。由也くんがスマ乳に入社したころから……」
「失礼ですが長谷川さん、お歳は……」
「33です」